上海のフリーペーパー「Whenever 上海」にGlowing Tennisのコーチがコラムを掲載するようになりました。今月は私が執筆して、会員さんや友人、居酒屋の店員にまで声を掛けられます。皆さん結構隅々まで読んでいるんですね。来月号は田原コーチ。

以下、本文

 中国テニス事情中国・上海編
近年、李娜や鄭潔、彭師といった選手を中心に目覚しい発展を遂げてきた中国テニス界。また、富裕層の増加に伴い、上海のテニス愛好家も毎年5%から10%増加しており、現在上海のテニス愛好家は70万人いるといわれています。そこで、今回は急成長する中国・上海のテニス界にスポットを当てていきたいと思います。1.上海のテニス愛好家
日本では、部活動やサークル、テニススクール・クラブでテニスをプレーする方が多いですが、中国・上海のテニス愛好家は、プライベートコーチを雇ってテニスをプレーする場合や、ごく身近な友人などを数名集めてプレーする場合がほとんどで、コミュニケーションスポーツながらやや閉鎖的なイメージがあります。アマチュアの試合も少なく、テニススクール(グループレッスン)という習慣がまだまだ普及していないというのが現状で、ローカル向けテニススクールの確立が今後私どもが上海テニス界発展のために担っていく役割だと考えています。また、自身でテニスをプレーはしないけれども、上海マスターズやテレビで観戦するといった愛好家も多数存在します。

2.選手育成システム
(中国の)他のスポーツ競技選手育成システムがそうであるように、子供の頃からアマチュアなのか、プロ選手を目指すのかできっぱり区別されます。上海では部活動はそれほど活発ではなく、有望な選手は区の少年チーム(少体校)で練習を行い、全国的な試合で活躍できるようであれば上海代表チームの選手(プロ)として倶楽部に住み込みでトレーニングを行い、ジュニアの選手であっても戦績により倶楽部から賃金が支払われます。また、コンスタントに全国的な試合で戦績を収める選手は、国の補助を受け、ナショナルチームの選手としてトレーニングを受け、試合に参加することができます。

3.上海プロテニス選手
テニスに力を入れている江蘇省や天津のチームは、数十人から数百人の選手が所属していますが、上海のプロテニスチームは20名弱と他の都市と比べると小規模のプロテニスチームです。そのうち5名の選手が国からの補助を受けているので、少数精鋭といったところでしょうか。中でも男子選手の呉迪(Wu Di)は09年に全国チャンピオンのタイトルを獲得し、19歳ながらデビスカップ(国別対抗戦)の代表選手として活躍しており、皆さんも上海マスターズなどで試合を観戦するチャンスがあるかもしれません。